これが、イノベーションに対する中央集権的なアプローチの弱みです。イノベーションは、計画してシステマティックに進めることが可能であり、中央の情報組織みたいなものに管理されていればなお良し、という考え方です。イノベーションは、単に優秀な人を集めて協働させればできあがるという思考です。もしそうだったら、未来は科学的に計画され、実行できるものになってしまうでしょう。
たしかに、ベル研究所は偉大でした。でもAT&Tは、イノベーションの担い手としては、生来の欠陥を持っていました。すなわち、同社とそのグループ、ベル・システムにとってほんの少しでも脅威となる可能性のある技術を作り出すことはできなかったのです。